Review

『トップガン マーヴェリック』
(原題:Top Gun: Maverick)
2022年公開

筋トレとジャッキー・チェンが大好きな謎のマスクマン、マスクド・エニタイムと一緒に、筋肉目線で映画を観るコーナー「映画の筋肉」。あの俳優のあの筋肉はどうやってつくられているのか?どんなトレーニングをすればあんな筋肉がつくれるのか?マスクド・エニタイムが映画を観ながら語ります。

Watch a movie with the Masked ANYTIME 『トップガン マーヴェリック』

マスクド・エニタイム

年齢、身長、体重不明の謎のマスクマン。鍛えた体を社会貢献のために使う。2023年6月14日、後楽園ホールで開催された小橋建太プロデュース興行「Fortune Dream 8」のチャリティスクワットでデビュー。趣味は筋トレと映画鑑賞。ジャッキー・チェンをこよなく愛す。得意技は酔拳と前説。

文・ヘルシアマガジン編集部
マスクド・エニタイム の写真・竹田寛康(植野製作所)
イラスト・町田早季
ヘルシア
マガジン
編集部
こんにちは!マスクド・エニタイムと筋肉目線で映画を楽しむ「映画の筋肉」、第1回は2022年に大ヒットした『トップガン マーヴェリック』を鑑賞します。マスクド・エニタイムさん、よろしくお願いします。
マスクド・
エニタイム
初めまして、マスクド・エニタイムです。今回は記念すべき第1回ということで、特別ゲストとして、プロレス界のレジェンド小橋建太さんと、奥さまの真由子さんをお迎えしました。よろしくお願いします!
小橋建太さん
よろしくお願いします。戦闘機に乗っているシーンがやっぱりすごかったですね。トム・クルーズがGの負荷を「象に踏まれるような圧迫感」と表現していたのが印象的でした。個人的にはベイダーにムーンサルト・プレスされた時のことを思い出しました(笑)
真由子さん
俳優の皆さんが、制服の上からでも分かるくらい胸筋を鍛えていましたね。ついつい体を見てしまいました。
胸が厚いと白いTシャツがすごく似合うんですよね~♡
Gに耐えられるように、トム・クルーズはじめ俳優たちは厳しい訓練を受けて、実際に胸筋をすごく鍛えたらしいですね。プロレスラーの皆さんも胸筋がすごく厚くなっていますが、どうやって鍛えているんですか?
胸筋は腕立て伏せですね。
映画の中でも罰ゲームで腕立て伏せをしてましたね。200回なんてできますか?連続だと100回くらいが限界じゃないですか?
腕立て伏せは基礎体力づくりのために絶対必要ですね。プロレスの世界でも罰ゲームで腕立て伏せをやらされます。試合前なのに、30回×60セットやったこともあります。それとスクワット、レッグレイズのような腹筋トレーニングとウエイトトレーニングを組み合わせますが、胸は殴られて厚くなっていくんですよ。
え、そうなんですか?!
実際に投げられたり、受け身を取り続けることで、体を守るために厚くなっていくんですね。パイロットの人たちも、Gに耐えるためのトレーニングだけでなく、戦闘機に乗り続けることで体にGへの耐性がついてくるんじゃないでしょうか。
マスクド・エニタイムはかつてラグビーをやっていたという噂を聞きましたが。
私はスクラムを組むポジションだったので、首が短くなって、肩の筋肉が硬くなりましたね。そのポジションにふさわしい体にだんだんなっていくんですよ。ぶつかっていくと相手に「おまえの体は硬い、痛い」と言われましたよ。小橋さんがおっしゃった通り、チョップを食うと硬くなるみたいに、ぶつかり合いで硬くなっていったんですね。
スポーツによっていろいろ違うんですね。真由子さんは歌のためのトレーニングをされていますか?
※真由子さんは「みずき舞」という芸名で活躍されている演歌歌手です。
歌の場合は、今はちょっと違うようですが、昔は腹筋を鍛えるようにと言われました。腹式呼吸なので、体の中の筋肉を使うのですが、今では意識しなくてもその筋肉が動くようになっていますね。娘が体操を習っているのですが、最近は姿勢のことや腹式呼吸について娘に厳しく指導されています(笑)。家で一番厳しいんですよ。
浜辺でビーチフットをやっているシーンを見てみましょう。上半身裸なので、筋肉がよく見えます。
この僧帽筋がすごいんですよね!筋肉の付き方も年齢によって違うと思いますが、トム・クルーズの筋肉は若い人とも違ってなんだかすごいですね!
前作『トップガン』の時トム・クルーズは20代前半でしたが、僧帽筋はここまで発達してなかったですよね。僧帽筋はどうやって鍛えるんですか?
僧帽筋を鍛えるのはバーベルやダンベルを引き上げるトレーニングですね。いわゆる「シュラッグ」の動作です。
でもなかなかここまでにはならないですよ。ボディビルの世界も、20代よりも30代後半から40代くらいのほうが強いんですよね。50代でもチャンピオンがいますよ。「筋肉は一夜にしてならず」というか、若くてスタミナがあるから筋肉がつきやすい、というものでもないんですよ。
筋肉は一夜にしてならず…深いですね。トレーニングの積み重ねがこの体をつくっているのですね。
筋肉を育てていけば60代になっても大丈夫です。私がエニタイムフィットネス等々力店をオープンした時(※小橋さんはエニタイムフィットネスのFCオーナーです)、これからはますます高齢社会になるので、自分の健康は自分で守ろう、そのためにもトレーニングして体を鍛えて、医者いらずの体をつくろう、という思いがありました。いくつになっても筋肉はつきます。80代の会員さんもいますよ。
トム・クルーズは『トップガン マーヴェリック』公開時は60歳だったんですよね。もちろん若い頃から鍛えていたんでしょうけど、60歳でこの体を維持しているというのは高齢者の希望の星ですね!
やっていなかった人でも、トレーニングを続けることでトム・クルーズのような体になれるんですよ。重いウエイトを持てないとダメ、というわけではなく、自分の体力に合わせて続けていけば成果が出てきます。
トム・クルーズはこの体をつくるために、どんなトレーニングをしているんでしょうか。
全身運動をやっているようですね。基本的なウエイトトレーニングはもちろんやっているんだけど、全身を使うトレーニングをたくさんやっているようです。例えば、スクワットジャンプみたいな全身運動です。トム・クルーズの筋肉は、いわゆる見せる筋肉ではなく、動ける筋肉、使える筋肉なんだよね。
確かに!『ミッション:インポッシブル』でもトム・クルーズはよく全力疾走してますけど、今回も“トム走り”見せてくれましたね!動ける筋肉なんですね!
トレーニングだけではなくて食事とか、いろんなことに気を付けているんでしょうね。俳優として生きることを徹底しているようなイメージですよね。
チートデーはあるかもしれないけど、かなり節制しているんだろうな。アスリート並みにちゃんとしたトレーナーやシェフがついているんじゃないかな。
いろんな人がトム・クルーズをつくり上げているんでしょうね。この映画にもすごくたくさんの人が関わっているんだろうな。そういう意味でも感動しました。
トムの新作『ミッション:インポッシブル』シリーズ第7作目、『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』が7月21日公開です。こちらも楽しみですね!
私も『トップガン マーヴェリック』を観てから白いTシャツを着るようになりましたからね。Tシャツが似合う体を維持したいですね。
鍛えれば誰でもトム・クルーズのようにかっこよくなれるんです。ウエイトトレーニングは全てのスポーツに通じますから、少しずつでもいいので、まずは始めることが大切ですね。
希望を持って何歳からでも自分のペースで筋トレをしよう、ということですね。目指せ、トム・クルーズ!ありがとうございました。

ゲストProfile

小橋建太

1990年代後半からプロレスラーとして一世を風靡。がんや数々の怪我に悩まされ、リング内外で壮絶な戦いを繰り広げてきた。 2001年1月に膝の手術のため欠場するも、翌年2月にアスリートでは前例のない復帰を果たす。また、2006年6月には腎臓がんが発覚。546日の闘病生活を経て、2007年10月に戦線復帰。 また、レスラーとしての実績も多く、数々のタイトルを獲得し、特にGHCヘビー級王座にあった2年間は、13度の防衛に成功し、いつしか「絶対王者」と呼ばれるようになった。 戦線復帰を果たした後も活躍を続けたが、2013年5月に現役を引退。現在はがんやさまざまな怪我を乗り越えた経験を背景に、夢やチャレンジ、諦めないことの大切さについて語る。 “夢の実現”、”命の大切さ”などをテーマに、熱い想いとまっすぐなメッセージを届けている。

小橋真由子

滋賀県出身。演歌歌手みずき舞として活動。テイチクエンタテインメント所属。第2回NHK新人歌謡コンテスト大賞、日本テレビ賞音楽祭92’新人賞、第11回メガロポリス歌謡祭新人賞、第23回日本歌謡大賞放送音楽新人賞、第24回全日本有線放送大賞新人賞、第25回新宿音楽祭大賞など、受賞多数。