FitnessVol.12

ダイエットも体力維持にも!
エニタイムフィットネスの
ランニングマシン入門

皆さんがフィットネスジムで親しみやすいマシンはどれでしょう?
おそらく、多くの方がランニングマシン(トレッドミル)を思い浮かべるのではないでしょうか。ランニングマシンのメリットはその手軽さ。室内トレーニングですので天候を気にすることもありません。暗い夜道を走るのが不安な方もランニングマシンなら安心です。

しかし、「手軽なランニングマシン」だけあって、我流で操作をしている方が多いようです。今回は400mランナーで、エニタイムフィットネス コトニアガーデン新川崎店の中島沙弥香さんに、ランニングマシンの使い方について伺いました。

文・井上英樹(monkeyworks)
写真・斉藤有美

レベルに応じた
様々な走りが可能

私は外を走るのが好きなのですが、ランニングマシンも日々のトレーニングに取り入れています。使い方は簡単なので、是非皆さんにご利用いただければと思います。今回の説明に使用するマシンはPRECOR(プリコー)社製です。エニタイムフィットネスではLife Fitness(ライフ・フィットネス)社製のマシンを設置している店舗もあります。基本的な設定方法や使い方は同じですので、分からない方はお気軽に店舗スタッフにお尋ねください。

いきなり体を動かすのは怪我の元ですので、少し運動をして体を温めてから使用しましょう。関節を動かしたり、軽い屈伸などで大丈夫です。初めての方や、まだマシンに慣れていない方は、走る前に衣服に安全クリップを装着します。その安全クリップが外れるとベルトが緊急停止します。

マシンには様々なランニングコースがあらかじめ用意されていますが、最初は「QUICKSTART(クイックスタート)」が良いでしょう。操作に慣れたり、目標(持久力アップ、マラソン大会出場など)ができたりしたら「ワークアウト」で目的別のトレーニングを行ってください。

画面で速度や傾斜角度の調整が可能です。速度は運動経験や体力によって人それぞれなのですが、最初は「会話ができるくらいの速度」で良いと思います。自分にとって無理のない速度で始めてください。マシンの使い方が分からない時に無理をすると、転倒や怪我の原因になります。角度は3%がおすすめです。傾斜角度を3%にすると、外で走っている状態と同じくらいの負荷になると言われています。

心拍数で
体の状態をチェック!

持ち手の所に心拍数を測るセンサーが付いていますので、時折握って心拍数を把握してください。効率良く脂肪燃焼ができる心拍数というものがあります。一般に、以下の計算式で求められます。

目標心拍数=(220ー年齢)×0.6

30歳の方ですと114、50歳の方ですと102です。これはあくまでも目安ですので、目標心拍数を100~130程度で維持できれば、脂肪燃焼が効率良くできるでしょう。これ以上の心拍数だとアスリートのトレーニングになってしまいます。

速度、傾斜角度、心拍数などの強度は運動経験や年齢によって違います。初めは自分の体の状態を知ることが大切です。自分の体と対話をし、時間をかけて慣れていき、強度を徐々に上げていきましょう。ランニングマシンを使っている時、「疲れてきたな」と感じたらハンドルを握って心拍数をチェックしてみてください。心拍数をチェックすることでご自身の体の状態が分かると思います。

ダイエットのために
必要な頻度は?!

速度同様、ペースも人によって異なります。私は走るのが好きなので、毎日でもいいのですが、なかなかそうはいきませんよね(笑)。例えばダイエット目的ですと、運動を習慣化するために高頻度で走る方がいいと思います。脂肪1gを燃焼するためには9kcalの熱量が必要と言われています。では1kgの脂肪を燃焼するためには9000kcalが必要かというとそうではありません。人間の脂肪は全てが純粋な脂肪ではないので、約7200kcalを消費すれば1kgを燃焼することができます。

よく1カ月で5kg(中には10kgも!)痩せるなんて目標設定をする方がいますが、それでは厳しい食事制限をしなければいけませんし、体に負担をかけ過ぎてしまいます。ですが1kgを1カ月で落とすと計画すれば、それほど難しくはありません。

7200kcal を1カ月で割れば、1日当たり約230 kcalです。強度によりますがランニングマシンだと30~40分ほど。運動しない日もありますから、目安として1時間くらい走ればいいでしょう。ぶっ通しでやる必要はなく30分を2回に分けてもいいですし、30分走って残りはマシントレーニングをしてもいい。運動が定着すれば日常的に体を動かすようになりますので、初めのうちは継続して通ってほしいですね。

仕事や家庭があるので毎日は無理という方も、週2~3回くらい通うと、しばらくすると体の変化を感じていただけると思います。1度、ジムに来てしまえば「せっかく来たんだから他にもやっていくか」と違うトレーニングをするかもしれませんし(笑)。

いくらゴムベルトの上を走るといっても、体重をかければ膝への負担が大きくなってしまいます。走る際はつま先で着地すると衝撃が強いので踵(かかと)からそっと着地するようにしてください。ランニングマシンでドンドン、バタバタと走っている方がいますが、この走り方ですと膝への負担が大きいかもしれませんね。

つま先から着地(歩幅が狭くなりがちです)せず、大きな歩幅で踵から着地するようにすれば、自ずとフォームも美しくなると思います。目線は前方に向けます。目線が下を向いていると、前屈みになってしまい肺が縮まります。ポイントは腕の振り方。肘を意識的に後ろに大きく振ることで、胸を開いたきれいなフォームになると思います。

外を走ればいいのでは?

ランニングマシンで走るより、外を走れば良いと言う方がいます。確かに外を走るのは気持ちいいですよね(私も大好きです)。ランニングマシンは自動でベルトが動いているため、実際のランニングと違うことは確かです。私は雨や雪の時など天候が悪い時はランニングマシンを使用します(花粉症の方も室内で走る方が楽でしょう!)。夜も安全面を考えるとランニングマシンがおすすめです。あとは、膝に問題を抱えている方もランニングマシン向きかもしれません。ベルトはゴム製ですのでアスファルトと比べて衝撃が少ないんですよね(もちろん、無理は禁物です)。それとマシンの側に水筒を置いておけば、水分補給も無理なく行えます。

ランナーの私が「ランニングマシンは便利だな」と感じるのが傾斜の設定ができることです。傾斜15%まで調整でき、坂道トレーニングが可能です。また、慣れてきたら先ほどお話しした「クイックスタート」ではなく「ワークアウト」でペース走などにチャレンジしてください。ワークアウトには様々な速度や角度を組み合わせたコースがあるので、変化に富んだトレーニングができると思います。ランニングマシン側が強度を変えてきますので、自分に甘いタイプの方におすすめです。

ランニングマシンは使い方次第で様々な効果を得ることができます。走るのがしんどい時は、ウォーキングでもいいですし、マシントレーニング前のウオーミングアップにもいいですね。トレーニング前に心拍数を上げておくことで、最大酸素摂取量が高まり持久力も上がります。ただ、繰り返しになりますが決して無理をせず、ご自身が継続しやすいものを選んでもらうのが一番いいと思っています。

ランニングマシンはエニタイムフィットネスの中でも人気のマシンの一つです。まだまだ活用できていない方は、トライしてみてください。ご自身のペースで良質のトレーニングができると思います。

Profile
エニタイムフィットネス
コトニアガーデン新川崎店
マネージャー
中島沙弥香さん
中島沙弥香

学生時代は陸上競技400mに打ち込み、インターハイ7位、自己ベストは54秒98を誇る。現在は、競技者時代に学んだことを活かし、会員様のサポートを行っている。幅広い方とコミュニケーションをとることで、仕事が楽しくて仕方ないとのこと。

エニタイムフィットネス コトニアガーデン新川崎店:
https://www.anytimefitness.co.jp/cgshinkawasaki/

中島沙弥香