連 載
動けるカラダになろう!
ファンクショナルトレーニング
ABC
ケトルベル & メディシンボール
楽しくつづけるファンクショナルトレーニング
効率的なファンクショナルトレーニング
第4回はケトルベルとメディシンボールのメニューをご紹介します。どちらも筋力トレーニングと有酸素運動が同時にできる全身運動なので、減量を目指す人にとっても効率良くトレーニングできる、うれしいプログラムです。
ケトルベルとは
ケトルベルは持ち手が付いた鉄球です。見た目がかわいいので女性にも人気のトレーニング器具ですが、持ち方によってさまざまなトレーニングができるため、アスリートやボディビルダーなども愛用している本格的なトレーニング器具です。
筋力トレーニングと有酸素運動が
同時にできる
今回ご紹介するのは、ケトルベルの代表的なメニューである「スイング」。ケトルベルを振るだけのシンプルな動きですが、腕の力を使うのではなく、体幹を使うことがポイントです。ケトルベルを振ることによって生まれる遠心力に耐えなければいけないので、体幹がしっかり鍛えられます。さらに、全身に負荷がかかるので、脂肪燃焼効果が高いメニューです。つまり、筋力トレーニングと同時に、有酸素運動もできる効率の良いトレーニングと言えるでしょう。
ケトルベルは、以下の点に注意しましょう。
●正しいフォームでトレーニングができる重さで行う
●猫背になったり、腰が反ったりしないように注意
●体の軸を意識し、腹筋に力を入れる
どのメニューもそうですが、トレーニングは正しいフォームで行うことが大切。負荷が高いトレーニングほど、ケガをする危険性も高くなります。ケトルベルの重さは、無理なくできるものを選びましょう。
では、自分の体力に合わせてやってみましょう!
ケトルベル スイング
肩幅に開いた両足の間、体の真下にケトルベルを置き両手で持ち上げます。体から離れたところにケトルベルを置くと上体が丸まりやすくなり、腰を痛める原因になるので注意しましょう。
① 膝を曲げ、お尻を突き出すようにしてケトルベルを股下後方に振る
② 立ち上がる時の股関節の反動を使って胸の高さまでケトルベルを振り上げる
③ 腕を振り子のように使い①、②の動作を繰り返す
上体が崩れないように腹筋に力を入れて、背筋をまっすぐに保ちましょう!
15回×2~3セットがおすすめです。
さらに負荷を高めたい人は、ケトルベルを肩の高さまで、目の高さまでと上げていきましょう。
バリエーションは無限大!
メディシンボール
メディシンボールは、ダンベルのように重さがあるボールです。もともとはケガや病気で筋力や体力が落ちた人のリハビリなどに活用されていたので「メディシン(Medicine=医学)」という名前が付いているんですね。また、ボールなので他の器具ではできないさまざまな動きができます。初心者はもちろん、上級者まで、多彩なバリエーションが可能なトレーニング器具です。
つまり、楽しいエクササイズ!
重さがあるメディシンボールは、ダンベルやケトルベルと同じような使い方もできますが、ボールなので、投げることができます!この「投げる」という動作は、連動性を持った全身の動きですから(第1回でご紹介した「運動連鎖(キネティックチェーン)」を思い出してください)、アスリートにとってはより実践に近い効果が得られますし、初心者にとっては、新しい刺激となってトレーニングの効果もアップします。つまり、楽しいエクササイズ、ということです。
メディシンボールのポイントは、
●体の軸を意識しながら行う
●正しいフォームでトレーニングができる重さで行う
●周りに注意しながら行う
の3つです。
メディシンボール ロシアンツイスト
メディシンボールは特に腹筋を鍛えるトレーニングに向いています。第2回で自重トレーニングをご紹介しましたが、自重トレーニングでは物足りなくなった、ちょっと飽きてきた、という方におすすめのロシアンツイストをご紹介します。
① 床にお尻をつけて座り膝を立てる(体育座り)
② メディシンボールを胸の前で持ち、腹筋に力を入れて足を軽く浮かせる
③ ボールを左右に振りながら上半身をツイストさせる
10回×2~3セットが目安です。
腹筋を意識して、おへそは正面に向けたまま、上半身だけを動かすようにします。顔は手と同じ方向に向けます。息を止めないで続けることがポイントです。
メディシンボール
チェストパス(ペア)
最近海外で流行しているペアトレーニング。友だちやパートナーと一緒にトレーニングすれば楽しさも倍増ですね!ペアでできるチェストパスをご紹介します。こちらも腹筋を使うトレーニングです。相手がいることでトレーニングに緊張感や集中力が生まれます。
① お互いの足が重なるくらいの距離で向かい合って座る(床にお尻をつけて座り膝を立てる)
② メディシンボールを持った両手を胸の前に引き付けてから、相手の胸に向かって投げる
③ 相手から投げられたボールを両手で受ける
10回×2~3セットが目安です。
腹筋を意識し、背筋を伸ばして行います。相手に向かってメディシンボールを投げる時に、体が後ろにのけ反らないように注意しましょう。体力差がある場合は、続けられるように速度や重さを調整してください。
体幹とインナーマッスルを鍛え、
脂肪を燃焼する
今回は全身を使うケトルベルと、腹筋を鍛えるメディシンボールのメニューをご紹介しました。どちらも体幹とインナーマッスルを鍛えると同時に、有酸素運動にもなるので、脂肪燃焼効率が高いプログラムになります。ケトルベルもメディシンボールも市販されていますから、ジムで試してみて効果が実感できたら、自分に合った重さの器具を購入して、家でも気軽につづけられるのがいいですね!
楽しくつづけよう!
ファンクショナルトレーニング
4回にわたってファンクショナルトレーニングをご紹介してきました。ファンクショナルトレーニングは、体幹やインナーマッスルという、体の中心の筋肉を鍛え、全身のバランスや動きの連動性を高めるので、ケガをしにくい、動ける体づくりには最適なトレーニングです。つまり、既に筋力トレーニングをしている方はもちろん、今までトレーニングをしたことがないけれど、なんとなく最近体が動かない、転びやすくなったな、という方にもぜひ体験していただきたいトレーニングです。
明日の健康のために、無理せず、できる運動をつづけましょう。
Let’s continue!
参考:『ファンクショナルトレーニング 機能向上と障害予防のためのパフォーマンストレーニング』中村千秋編 株式会社文光堂
運動メニュー監修:株式会社 Fast Fitness Japan
動けるカラダになろう!ファンクショナルトレーニングABC
■
第1回 ファンクショナルトレーニングとは
■
第2回 自重トレーニング & バランスボール
■
第3回 サスペンション & バトルロープ