連 載
動けるカラダになろう!
ファンクショナルトレーニング
ABC
サスペンション & バトルロープ
立体的に鍛えて、美しいカラダを手に入れる方法
いよいよ本格的なファンクショナルトレーニングに挑戦
連載第2回でご紹介した基本のトレーニングはいかがでしたか?自重トレーニングは家でもできるので、こつこつ続けることが大切です。でも、ファンクショナルトレーニングならではの、ダイナミックなトレーニングにも挑戦してみたいですよね。
最近は、ファンクショナルトレーニング用の器具を設置しているジムも増えてきました。今回はサスペンションとバトルロープのトレーニングをご紹介します。
サスペンションで3次元に鍛える
サスペンションを使ったトレーニングは、グリップを握った手と床面に接した足裏だけでバランスを保ちながら、自分の体重と重力を利用するトレーニングです。 連載第1回でご紹介したように、上下・左右・前後の3次元に負荷をかける「3面運動」が可能になります。
また、不安定な状態でバランスを保つ必要があるため、すべての動作の基本となる体幹を鍛えるとともに、動作の連動性や協調性を高め、「運動連鎖(キネティックチェーン)」のトレーニングにもつながります。
足の位置で強度調整、自分に合ったトレーニングが可能
サスペンションを使ったトレーニングでは、足の位置を調節することによって、トレーニングの強度をコントロールすることができるので、初心者からトップアスリートまで、その人に合った効果的なトレーニングができます。つまり、すべての人におすすめです!
サスペンション・トレーニングは姿勢が重要です。姿勢を整えてからスタートしましょう。
●ストラップがたるまないようにグリップを握る
●両足に均等に力がかかるように調整
●腹筋に力を入れ頭の先から足の先まで体が一直線になるようにキープ
●足の位置で強度調整
低強度:片足を一歩前に出す(オフセットポジション)
中強度:足を肩幅に開く
高強度:両足を揃える
では、自分の体力に合わせてやってみましょう!
サスペンション チェストプレス
まず、胸に効くチェストプレスです。ラックを背に立ち、グリップを握った手を前に出します。
① 肘を伸ばした状態で構える
② 少し前のめりになるように足を一歩引き、つま先に重心をかける
③ 肘を折り曲げ上体を倒す
④ 手のひらで押すように腕を伸ばす
⑤ ③、④を繰り返す
15回×2~3セットがおすすめです。 足の位置をより後ろに下げて体の角度を深く倒すとさらに負荷がアップします!
サスペンション ローイング
続いて、背部に効くローイングです。ラックに向かって立ち、グリップを握ります。この時、手の甲が体の外に向くように握り、脇をしめるように引くと主に背中に効きます(ローロウ)。
手の甲が上に向くように握り、肘を脇から90度の高さに上げたまま、肩甲骨を安定させて肘を張るように引くと主に上背部に効きます(ハイロウ)。
① 肘を伸ばした状態で構える
② 足を一歩前に出し体が後ろに倒れるように重心をかける
③ 肘を曲げながら肩甲骨を寄せ、体を前に引き寄せる
④ 肘を伸ばして体を元に戻す
⑤ ③、④を繰り返す
こちらも15回×2~3セットがおすすめです。
足の位置をより前に進めて体を深く倒すと、負荷がアップして強度が増します。チャレンジしてみてください!
バトルロープを楽しめ!
最後に、バトルロープをご紹介します。ラグビー日本代表チームなど、トップアスリートもトレーニングに取り入れているバトルロープ。見た目は楽しそうですが、かなりきついトレーニングです。
バトルロープは、有酸素運動と筋力アップトレーニングが同時にできる全身運動。心肺機能も高まります。まずは楽しんでやってみましょう。
バトルロープ オルタネイトウェーブ
バトルロープの基本トレーニングです。
① 1本のロープをラックの下のバーに通し、左右同じ長さになるように調整してロープの端を持つ
② 膝を軽く曲げ、腰を落として「パワーポジション」をとる
③ 右手と左手を交互に動かしてロープを大きく波打たせる
20秒×2~3セットが目安です。
ウェーブを大きくすることで背中のトレーニングになります。物足りない人は、ワークアウト時間を長くして、インターバルを短くしてみてください。負荷が大きいトレーニングなので、体調に合わせて10分程度までを目安にしましょう。
不安定な状態がバランス感覚と体幹を鍛える
今回は3次元で負荷をかけて美しい上半身をつくるサスペンションと、全身を使うバトルロープのメニューをご紹介しました。サスペンションは導入しているジムも増えていますし、キットも販売されています。バトルロープがあるジムはまだ多くないかもしれませんが、こちらも販売されているので、家に広い場所がある方は遊び感覚でやってみるのも良いかもしれません。
ファンクショナルトレーニングは、足の位置や体の角度などを変化させることで、負荷の調整ができます。体が不安定になればなるほどバランスをとろうとすることで負荷が高まり、体幹のトレーニング効果が高まります。自分の体力にあわせてチャレンジしてみてください。
Let’s continue!
次回は、ケトルベルとメディシンボールのプログラムをご紹介します。
参考:『ファンクショナルトレーニング 機能向上と障害予防のためのパフォーマンストレーニング』中村千秋編 株式会社文光堂
運動メニュー監修:株式会社 Fast Fitness Japan
動けるカラダになろう!ファンクショナルトレーニングABC
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第1回 ファンクショナルトレーニングとは
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第2回 自重トレーニング & バランスボール
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第4回 ケトルベル & メディシンボール