FitnessVol.30

自分の体を持ち上げる!
懸垂(チンニング)を始めよう

子どもの頃、鉄棒で「懸垂」にチャレンジした記憶がある方も多いのではないでしょうか。実際に「懸垂」は自重トレーニングの中でも極めて負荷が大きい種目で、少し難しく感じるかもしれません。しかし、自分の体重を利用する分、背中の大きな筋肉をしっかり鍛えることができます。体のシルエットを整えるにも効果的で、何より懸垂をしている姿はとても格好いいですよね。今回は「アシスト」を使った挑戦しやすい懸垂のトレーニング方法を、ベストボディにも挑戦している、エニタイムフィットネス新栄葵店の小倉亜美さんに伺いました。

文・ヘルシアマガジン編集部
写真・坂口善徳

懸垂ができると格好いい!

私がトレーニングに取り入れている種目の一つに、懸垂(チンニング)があります。この種目は上半身を鍛えるのに非常に効果的で、広背筋(こうはいきん:背中の筋肉)や上腕二頭筋(じょうわんにとうきん:力こぶの部分)などを鍛えることができます。大きな背中の筋肉を鍛えることで基礎代謝が向上し、カロリーを消費しやすくなるだけでなく、肩凝りや腰痛の改善も期待できます。また、男女を問わず、背中を鍛えることで服を格好良く着こなせるようになるのも魅力だと思います。

そして何より、トレーニング中の姿が格好いいんですよね。実を言うと、私が懸垂を始めたきっかけは少し不純で、「懸垂ができるって格好いい!」という憧れが動機でした。初めはアシストを利用してトレーニングを始めましたが、「アシストなしで自分の体を持ち上げられるようになりたいな」と思うようになり、今では私のトレーニングにとって欠かせない種目になりました。ぜひ、トレーニングに取り入れ、美しい背中、たくましい背中を手に入れてほしいと思います。

まずはアシストを使って
懸垂を行おう

一般的なのが「チンニングマシン」を使った方法です。懸垂は自重を使う分、非常に負荷が大きいため、初心者の方にはアシスト付きのマシンを活用することをおすすめします。

他のトレーニングマシンとは違い、チンニングマシンのアシストの負荷は「重め」に設定すればするほど、サポート力が強くなって体が上がりやすくなります。初心者の方の目安としては、自分の体重の半分程度に設定すると良いでしょう。何度かトレーニングを重ねるうちに「簡単に上がるな」と感じたら徐々にアシストの負荷を弱めていき、最終的にはアシストなしで懸垂を行えるようになるのが理想的ですね。

ハンドルを正しく握ろう

懸垂には主に順手(オーバーグリップ)と逆手(アンダーグリップ)の2種類の握り方があります。

順手(オーバーグリップ)

手の甲が見える状態で握ります。広背筋の外側や肩甲骨周りを意識しやすいのが特徴です。ワイドグリップでのトレーニングでは背中に広がりが出るため、くびれと差が出てメリハリのある体形を目指すことができます。

逆手(アンダーグリップ)

手の内側が見える状態で握ります。背中の中間から下部に効かせやすいのが特徴です。初心者の方は、順手よりも逆手の方が上体を引き上げやすいことが多く、おすすめです。

アシストを使って懸垂にチャレンジ

1負荷を設定する
アシスト付きでトレーニングをする場合、体重の半分程度を目安に設定します。初心者はやや楽に感じる負荷からスタートしてOKです。

2グリップを握り、肩を下げる
グリップは軽く握り、肩をすくめないように意識します。肩甲骨を下げる意識を持つと良いでしょう。

3ステップに膝を乗せ、胸を張る
膝をステップに乗せたら、鎖骨と胸を天井に向けるイメージで胸を張ります。目線を上に向けると姿勢を維持しやすいです。腰を反らし過ぎないよう注意してください。

ステップの乗り方①
ステップの乗り方②
ステップの乗り方③

4肘をしっかり伸ばした状態でスタート
最初のポジションでは、肘を完全に伸ばして体をぶら下げる状態にします。これにより可動域を広く取り、効果を最大化します。

5背中と腕の筋肉を意識して引き上げる
腕だけで引っ張るのではなく、背中の筋肉も使って体を持ち上げる意識を持ちましょう。

6ゆっくり体を下ろす
ネガティブ動作(下ろす動き)は筋肉に強い刺激を与えます。ゆっくりとコントロールしながら戻すことで、より効果的なトレーニングが可能になります。

動画を見ながらやってみよう

正しいフォームと
意識するポイント

懸垂で大事なのは、「背中を鍛えている」という意識を強く持つことです。腕だけに頼ると肩がすくんでしまいがちなので、肩甲骨を下げるイメージを大切にしましょう。

正しいフォーム
間違ったフォーム

通常、体を鍛える時には8回×3セットというように回数やセット数を決めて行う場合が多いですよね。もちろん、目標数があっても良いと思いますが、特に初心者の方は楽しく続けられる範囲でOKだと思います。きついと感じるくらいまでで大丈夫。慣れたら、回数を決めて、より負荷を調整しながら行っていきましょう。

懸垂ができると
トレーニングが
もっと楽しくなる

いかがでしたでしょうか。アシストを使うと懸垂は簡単にチャレンジできるんです。「できない」と思っていた懸垂が少しずつできるようになると、トレーニングが一気に楽しくなると思います。ぜひ、毎日のトレーニングに懸垂を取り入れてくださいね!